カラスウリ Trichosanthes cucumeroides
林縁などに絡んでいるつる植物で夜に咲く花。花冠の裂片の先は非常に繊細に裂け大きく広がっています。雌雄異株で写真は雄花。
こちらも雄花。花筒が非常に長いです。主に対象の昆虫はスズメガでその長い口吻に合ったものだそうです。
こういうのってなるほど~と自然の仕組みに感心する一方で、「花が先か?虫が先か?」っていつも考えてしまいます。スズメガが長いストローを持ったのは花筒が長いカラスウリのような花があったからではないかと思うし、カラスウリが長い花筒を持つことにしたのは、スズメガのような長いストローを持つものがいたからこそではないかと思うし・・・と混乱してきます。
まさか相談しながら進化してきたんじゃないでしょうし(笑)あ、でもほんとに申し合わせるようにお互いにちょっとずつ成長(進化)し合ってきたのかな?
これは花後の雌花。花筒の下部に子房があるのが分かります。
ところで夜に花を撮りにいくとなんでかいつも雄花の方ばかり撮ってしまっています。
あまりじっくりあちこち見ていると蚊にさされるので、特に探したりもせずに撮っているからなんですが。
雄花の蕾。すでにそれ自体が瓜のようにも見えました。
葉はキカラスウリと違って艶がありません。
若い果実(左)と熟した果実(右)。
カラスウリは種子の形を「打ち出の小づち」に喩えて、お財布に入れておくとお金がたまるとか、果実の汁を足に塗ると駆け足が早くなるとか、面白い話もいろいろあります。
ところで夜に咲く花ですが、マツヨイグサ類やオシロイバナのような花は夕方には咲き始めたりしますが、カラスウリはほぼ真っ暗になる頃にならないと開きません。そして朝も明るくなりだす頃にはすでにしぼみ始めてしまいます。
なんとも神秘的でその姿は夜の女王といったところです。(例によってすべて雄花ですが(笑))
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