ヌスビトハギ属の一種 Desmodium sp.
やや木陰の草地などにヌスビトハギと一緒に咲いているものですが、いくつかの点でヌスビトハギとは違う気がしています。一度はマルバヌスビトハギとも思ったものの、どうもそれもどこかが違う気がし今回、新たな写真も加えつつヌスビトハギ属の一種としてあげなおしました。
一枚目の写真でも見えますが萼に長い毛が生えています。また、花軸は緑色をしていて、長い毛が疎らに生えているのが目立ちます。
花付きは、先の方を中心に咲いていて全体の花数が少ない気がします。
うまく表現できませんが、一度に咲く花数が少なく、少しずつ花穂が咲き上がっていっている・・・そんな感じがします。(新たな花芽も出るので一概にも言えず、タイミングのせいかもしれないですが、たくさん咲いている状態は見かけず。)
上の写真のトリミング拡大。
もう一枚別の写真。
花軸ですが、触るとけっこうベタつきます。
長い毛の他に、短い腺毛がびっしり生えているようで、このせいでベタつくのだろうと思います。
一般的なヌスビトハギの方はベタついていないようでs。
茎も同じように長い毛だけでなく細かい腺毛があるようで、ベタつきます。
上部の葉の頂小葉の形は、一般的なヌスビトハギと変わらないのですが、表面の触った感触はヌスビトハギより、パサついた感じがします。
中間~下部には丸みがある葉があることが多いですが、菱状広卵形という感じで、典型的なマルバヌスビトハギに見られる倒広卵形というほどまでのものはないようです。
下部から2番目くらいの葉。これは倒広卵形ともいえそうですが、時々ある程度であまり多くはないです。
最下部の葉。かなり丸い葉をしているものがあります。
実際にはやや先が尖る感じのもうちょっと広卵形程度のタイプも多く、下に行けばいくほど丸みと幅がある葉が多いという感じです。
といった具合で、目立つ毛が多いことや葉が丸いものがあることから、マルバヌスビトハギではないかと一度は思ったのですが、検索したり色々調べていると、上部の葉まで全てが丸みのある葉が付き、多くが倒広卵形という画像や標本画像などがあり、それらとはその形だけでなく頂小葉と側小葉の大きさや位置のバランスも違う気がして、あらためて今回ヌスビトハギの一種ということにしました。
花序軸や茎の腺毛やベタつき具合については、特に検索してもヌスビトハギと関連したヒットがないようなので、このあたりが特徴的なものなのかどうかも今一つ分からないでいます。
一応、葉の裏。葉の裏の毛に関しては葉脈上など一般的なヌスビトハギよりは多いですが、どちらも短い毛がよく見れば生えているという感じで違いとしてはわかりませんでした。
ただ触った質感は、先にもちょっと書きましたが、こちらの葉はカサカサした表面の質感で、ヌスビトハギの方はしっとりした質感に感じました。葉の古さ具合とも考えたのですが、いくつか触った感じではそういう傾向があるように思いました。(かといって葉の表面の毛の量に差があるという感じもないです。)
全体像。どうも花序の花付きが違う気がして仕方ないです。
葉の形に関しては、ヌスビトハギと差があっても連続的に思うし、ならばヌスビトハギの変化の内なのかもという気がしてみたり・・・一方で、毛の量とか花序の様子とか葉の質感とか腺毛の量(ベタつき)など、なんだかいろいろと違うと感じる面もあり、それならマルバヌスビトハギの変化の内に入るのかな?とか思い直してみたりもするのですが、葉の形が物足りずで結局どっちともわからないのでありました・・・。
(後日、2枚追加)
左は一般的と思われるヌスビトハギ。右がこの記事のタイプ。
右も、このタイプとしては花が同時によく咲いている方ですが、花数も間隔もだいぶ違う。
(同じく左がヌスビトハギ、右がこの記事のタイプ)
花軸が色だけでなく、太さ自体が違う。
花の形や大きさも微妙に違う気がしますが、旗弁の色がこの記事のタイプの方が濃いようです。
やっぱり別のものという気がします。
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おまけで、もう一タイプ。
旗弁の色が濃く紅色の花をしています。
花軸に毛が多いようです。べた付きはやや弱めですが少しありました。
葉の様子。下部の方はちょっと幅が広い形。
という感じでこの紅い花のものは、全体的にはヌスビトハギの変化の内という気がするのですが、となるとヌスビトハギにも花軸に毛が多いものがあることになり、前半に載せていたタイプも変化の内と考えることもできることに・・・とはいえ、どうも前半のタイプはいろいろと何かが違う気がしてしまいます・・・。
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