Familiar Flowers 2

身近で咲く花たち。

ハエドクソウとナガバハエドクソウの比較。

エドクソウ Phryma leptostachya subsp. asiatica

ナガバハエドクソウ Phryma leptostachya ssp. asiatica f. oblongifolia

花の様子

エドクソウの花の特徴は上唇が先が2裂したその両サイドが肩状に広くなっている点です。

ナガバハエドクソウではこの部分がなくほっそりした上唇をしています。

 

花の様子

そのナガバハエドクソウの花。

エドクソウより開花が少しだけ早いようで、ナガバハエドクソウが花序の先まで咲き上がったころにハエドクソウの花を見かけるようになりました。また個体差ありますがハエドクソウの方が少し花は大きめの傾向はあるようです。

 

上部の葉の様子

エドクソウの葉は基部が心形~切型になる点が特徴の一つです。

上部の花茎が出るあたりにある葉はほぼ心形。

 

中間の葉の様子

中間の葉では切形が多い。完全にではなく小さく楔形になるものも多い。

 

下部の葉の様子

下部の方ではやや楔形のような葉が多い。

(追記: 下の方に写っていますが最下部やその上の葉は、葉の形そのものが三角状の扇形というのか中間の葉とはちょっと違っています。)

 

次はナガバハエドクソウの葉の様子。

葉の様子

基部は楔形でやや葉のバランスが長いようです。

ただ最下部の葉はハエドクソウもナガバハエドクソウもどちらも似たような形をしているように思いました。

 

ちょっとごめんなさいして葉を比較。

葉の裏の比較写真

左がナガバハエドクソウ、右がハエドクソウ

細脈(側脈からさらに分岐する脈)が目立つのもハエドクソウの特徴ですが、細脈に限らず全体的に葉脈の浮き出方が強いようです。

 

葉の表の比較写真

今度は反転してますが、左がハエドクソウ、右がナガバハエドクソウ。

表側からみてもこうして比較すると葉脈の窪み具合が全体に目立ちます。並べてみればわかりやすい差がありますが、単体で見たときはちょっと分かりづらくかもしれないです。

 

全体像

エドクソウの草姿は葉が全体の上部、高い位置まで付いています。

 

全体像

一方、ナガバハエドクソウは葉数が少なくすぐ花序が出ているので全体の下部の方にだけ葉があるようなバランスに見え、草姿にも両者はちょっと違いがあります。

 

花の写真

エドクソウ横アングル。

 

花の写真

ナガバハエドクソウ横アングル。

 

ほんとにそっくりな2つの花で、この違いが生まれたのはいったいどういう理由で、それによってどう違いがあるのだろうと不思議に思います。

同じ林内でちょっとだけ距離を置いてそれぞれが生えているのですが、ナガバハエドクソウの方が少しだけ開けて日当たりが良い場所に位置していたのですが、そのあたりの僅かな違いへの対応なのでしょうか。(追記: ただしナガバハエドクソウの生えている場所の方は人の手が入っているので、単に運ばれてやってきたものなのかもしれませんが。)

 

花の写真

(写真はハエドクソウ)

そんなハエドクソウとナガバハエドクソウでしたが、「蠅毒草」という名前はその昔、ハエ取り紙の原料に使われたことからついた名前です。

小さな花ですが林の中でひっそり咲く姿は涼し気でもあり可愛らしい花と思います。

 

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