タイトゴメ Sedum japonicum ssp. oryzifolium
海岸の岩場、あるいは海岸付近の道路沿いなどで見られる花。
こちらは海が近いアスファルトの駐車場縁に咲く満開のタイトゴメ。
6月に株を覆いつくすほど黄色の花を多数咲かせます。
葉の様子。
粒状突起が確認できます。一般に粒状突起がないといわれオカタイトゴメとの比較に使われますが、タイトゴメでもこうして確認できることの方が多いです。またもう一の似た花メノマンネングサでも見られます。
特に先端の若い葉ではごく普通に確認できます。
角ばった葉がオカタイトゴメという情報もあるようですが、むしろタイトゴメが茎の先端の若い葉などは角ばっている感じがします。
こちらは花の咲いた茎の葉ですが、やはり粒状突起が見えます。
両者とも粒状突起が確認できない葉はありますし、割合的な差があるとしてもあるなしでの線引きは難しく感じます。
また、葉の断面の形もオカタイトゴメとの識別に用いられますが、一般的にタイトゴメの方が葉の両面がぷっくりする傾向があるものの、葉により差があるので比較が難しいときもあるかもしれません。なので1枚の葉だけでなく全体に見る必要があると思います。
花の様子。
花径は普通1cm程度。ただし、株の生育具合や花期の後半になるとより小さな花もみられます。
葉の長さと幅。
葉の長さは花期で4mm前後が多いようです。
花が咲いた茎に付いていた終わりかけの葉ですが、白っぽくなりまさに「米」のようでした。長さは4mm程度。
幅は2mm強と3mm程度。
花の咲く枝ではない茎の下部につく葉。
幅は2mmくらいで、長いもので5mmでした。(若干、葉が反っている)
一般に葉の長さは3~6mmと言われていますが、実際には6mm近い葉はそうはない気がします。
似たもの比較 メノマンネングサ、タイトゴメ、オカタイトゴメ
それぞれ別に撮ったものを少々ズレはありますがサイズ調整して並べたもの。
(花のない茎の下部につく葉です。)
袋果(果実)の様子。
若い果実ではまだ斜上していますが、熟す頃には平開します。
種子。
中には多数の種子があるのが見えます。写真ではわかりづらいかもしれませんが、その場で確認した数は7個。ただし一つの部屋に7個があったのかまで正確には分かりません。
とはいえ充実している果実とそうでない果実があるのも確かで、1個しか確認できないものや、全く確認できないものもありました。
左のものは長さは0.8mmほどですが、右のものはもう少し小さそう。
種子のサイズがどの程度の範囲まであるのかは、わかりません。
ということで、
まとめると、粒状突起の有無ではメノマンネングサを含めタイトゴメかオカタイトゴメかは判断できず、葉の長さと幅など、大きさが一番わかりやすい差で全体的に見た判断が必要と思います。
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(2018年7月上旬、以下2枚)
メノマンネングサと比べ、タイトゴメの花序は分枝に付く花数が多くて4つほどと小さい。
花序を全体で見たサイズ。
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