キンモクセイ Osmanthus fragrans var. aurantiacus
庭木などでよく見かけるモクセイ科の常緑小高木。雌雄異株。通常、日本で見られるものは雄株のみだそう。
花期は10月頃。離れた場所までよく漂う香りで開花に気づかされることがあります。
(2017年10月中旬)
写真は鉢植えの様子になりますが、自然樹形はこんもりと半球形状(円蓋形)になります。
花冠はオレンジ色で、4深裂。
基本種とされるギンモクセイ(モクセイ)は花色が白く花数が少なめ、香りも弱め。他に葉の様子なども違う。
また、キンモクセイの花色が薄いものはウスギモクセイと呼ばれることがあり、ウスギモクセイはギンモクセイの変種( var. thunbergii )や、キンモクセイの品種 ( f. thunbergii )とされることもあるようです。 The Plant List ではいずれもキンモクセイ var. aurantiacus のシノニム。
雄しべは2本。
日本では通常、雄株のみなので結実の様子は見られない。
花の大きさはだいだい6,7mm。
目立たない萼があります。裂片が不規則に裂けている。
苞(芽鱗)の内部の様子まではわからずで実際の構造は不明ですが、複数の小花柄が束生状に出ているように見える。
最内の茶褐色の鱗片は早くに落ちて、ないものもある。
花芽は葉腋に付きますが、そのすぐ下の枝にもついてる様子がみられました。
その位置には葉痕が確認できることもあるし、そうでないこともありました。通常、「葉腋につく」としか説明されていないことが多いので、確認できない位置であってももしかしたら新梢の生長段階で小さな葉があったのかも?
葉は対生し、主に楕円形、革質で、表面は濃緑色。葉縁は全縁ですが、先の方に細かい鋸歯があることもあるらしい。
葉先の様子。
葉表によくみると腺点がある。
葉裏は淡緑色。葉裏にも腺点がある。
樹皮は灰褐色で、縦に割れる。
キンモクセイは漢字で「金木犀」ですが、「木犀」というのは、樹皮から犀(動物のサイ)の皮膚を連想したものとのこと。