エゴマ (シソとの交雑種かも?)
庭に生えてきたものです。写真の花が咲いている状態は10日くらい前の様子ですが、シソより遅れて咲き始めました。現在は花が終わっています。草丈は80cmくらい。分枝はないようです。
シソとは花序の様子が違いどうもエゴマのような感じなのですが、典型的ともいえない感じ。おそらく昨年までは無かったと思います。
場所は離れてますが2株生えています。こちらは丈20cmくらいと小さい。
下の方で花が咲き始めてますが、出始めの花序の様子。
葉腋から出た蕾の花序。
苞葉は初めから開いていて、色が白っぽく、先端あたりが緑色。(丈の低い方の苞葉では、さほど白っぽくないものもあります。)
白っぽい苞葉というとレモンエゴマ(P. citriodora)の特徴でもあるようなのですが、次のような理由から考えから外しました。
(レモンエゴマの花色は淡紅色(白もある?)、萼の毛は長くても1.2mm以下、茎の毛は0.1~0.2mm以下の短毛、葉の裏に長毛はない、自然分布は関東以西で通常栽培されることもない、そして、レモンエゴマとシソの間には生殖的隔離があるという点からレモンエゴマの特徴に合わない部分をシソとの交雑と考えることができない点など。)
花色は白色か僅かに淡紅色を帯びる程度。
苞葉がシソのように山折りに中肋から強く反り返ったりせずに開いているか、かるく反る程度。
雄しべ4つは花冠とほぼ同じくらいの長さ、上側に先が2岐した雌しべが見えます。
写真によって2岐した感じに見えないものがけっこうあって気になったのですが、単に花色と同化しているからかも。
花は正面から見て3mmはない程度。
花の長さは4mmくらい。
萼は長さ3mmくらいで長毛が目立ちます。エゴマの萼は4~7mmともされているようなので、ちょっと小さい?
落ちていた花で測ってみると、正面からの径は3.5mm、花の長さは5mmくらいでした。
上から見た萼の様子。
下から見た様子。
花後の萼の様子。
花後の苞葉は少し基部から垂れるように反っています。
たまたま?なのかもしれませんが、花序の最下部の苞葉の縁が細かく切れ込むものがありました。(丈の低いほうで見られた特徴)
葉はシソより幅広く大きめ。
鋸歯はあまり整っておらず少し荒々しい感じ。丈の低い方の葉では重鋸歯のような感じも見られました。
いろいろいじっているうちに折れてしまった葉。
葉の形は幅が広い。葉柄部分が短く見えるのは途中から折れてしまったからです。
画像検索するとエゴマの葉の葉身の基部に蝶ネクタイでもしたかのように小さい裂片が出ているものがけっこう見られますが、そういったものは見当たらずでした。
葉裏は少し紫色を帯びたものがあります。
ほとんどの葉が切形のような感じですが、このような広めの楔形も1枚ありました。(葉を伸ばすと広めの楔形)
葉の裏の葉脈上に長毛があります。
葉裏の紫色を帯びているのは主に葉脈でそれ以外の部分はあまり帯びていないようです。
香りについては、ほとんどアオジソの香りです。「ちょっと違いがあるんじゃないか?」と思いながら嗅ぐと、ほんの少しアオジソより柔らかいというか甘いような気もするのですが、ほぼアオジソのような感じ。
茎には下向きに曲がった毛などがやや疎らに生えています。
葉柄には上向きの毛などが見えます。
花が全体に咲き終わった様子。
シソと比べると太く見えます。長さも平均的にシソより短め。
萼は約8mmと大きくなっています。
苞葉は現時点では残っています。
だいぶ頼りない感じになってますが、もしも熟す頃に苞葉が落ちてしまったとなるとかなりややこしい話になってくるので落ちないことを祈っています(笑)
萼筒の奥の方で4分果が見えます。
花序の様子などはエゴマのような感じがあるものの、全体的にはエゴマそのものといった様子でもなく、シソっぽいところもあるということで、現時点ではシソとの交雑種の可能性、或いは野生化しているうちにこういう感じになることもあるのかなぁと考えてみたりしているのですが、エゴマにしてもシソにしても栽培品種が多数あるだろうし、なにが典型的なのかも難しいし、ましてやそれらの野生化したものとなるとなおさら難しいところがあるかと思います。(追記:エゴマらしいと思えるものも見ることができたので、そちらの記事もアップしました。)
(追加画像)
(10月上旬、以下4枚追加)丈の低い方の様子。
苞葉は枯れて落ちているものもありますが、一応付いています。
分果は2mm弱といったところで、シソの果実よりはあきらかに大きく、エゴマサイズといえる大きさ。
丈の大きい方の様子。
苞葉の感じは似たような感じで一応付いています。
こちらは分果が1.3mm前後?1.5mmはない感じでシソとほとんど変わらない大きさでした。
表面の網目模様はどちらも似たような感じ。
ということで、片方はエゴマサイズでもう片方はシソのサイズという微妙な結果でした。
最近、エゴマらしいエゴマを見ることが出来たのもあり、それに加えて果実の大きさのこの中途半端な結果を踏まえて考えると、やはり交雑種なのかなという感じです。
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