Familiar Flowers 2

身近で咲く花たち。

エゴマ (シソとの交雑種かも?)

花の写真1花序

庭に生えてきたものです。写真の花が咲いている状態は10日くらい前の様子ですが、シソより遅れて咲き始めました。現在は花が終わっています。草丈は80cmくらい。分枝はないようです。

シソとは花序の様子が違いどうもエゴマのような感じなのですが、典型的ともいえない感じ。おそらく昨年までは無かったと思います。

 

もう一つ別な株

場所は離れてますが2株生えています。こちらは丈20cmくらいと小さい。

 

出始めの花序1

出始めの花序2

下の方で花が咲き始めてますが、出始めの花序の様子。

 

蕾の花序1

蕾の花序2

葉腋から出た蕾の花序。

苞葉は初めから開いていて、色が白っぽく、先端あたりが緑色。(丈の低い方の苞葉では、さほど白っぽくないものもあります。)

白っぽい苞葉というとレモンエゴマ(P. citriodora)の特徴でもあるようなのですが、次のような理由から考えから外しました。

(レモンエゴマの花色は淡紅色(白もある?)、萼の毛は長くても1.2mm以下、茎の毛は0.1~0.2mm以下の短毛、葉の裏に長毛はない、自然分布は関東以西で通常栽培されることもない、そして、レモンエゴマとシソの間には生殖的隔離があるという点からレモンエゴマの特徴に合わない部分をシソとの交雑と考えることができない点など。)

 

花序の様子1

花の様子1

花色は白色か僅かに淡紅色を帯びる程度。

苞葉がシソのように山折りに中肋から強く反り返ったりせずに開いているか、かるく反る程度。

 

花の様子2

雄しべ4つは花冠とほぼ同じくらいの長さ、上側に先が2岐した雌しべが見えます。

写真によって2岐した感じに見えないものがけっこうあって気になったのですが、単に花色と同化しているからかも。

 

花の径1

花は正面から見て3mmはない程度。

 

花の長さ1

花の長さは4mmくらい。

萼は長さ3mmくらいで長毛が目立ちます。エゴマの萼は4~7mmともされているようなので、ちょっと小さい?

 

花の径2

花の長さ2

落ちていた花で測ってみると、正面からの径は3.5mm、花の長さは5mmくらいでした。

 

萼の様子 上から

上から見た萼の様子。

 

萼の様子 下から

下から見た様子。

 

花後の萼の様子

花後の萼の様子。

 

花後の苞葉

花後の苞葉は少し基部から垂れるように反っています。

 

ギザギザした苞葉

たまたま?なのかもしれませんが、花序の最下部の苞葉の縁が細かく切れ込むものがありました。(丈の低いほうで見られた特徴)

 

葉の様子1

葉はシソより幅広く大きめ。

鋸歯はあまり整っておらず少し荒々しい感じ。丈の低い方の葉では重鋸歯のような感じも見られました。

 

葉の長さ1

葉の幅

葉の長さ2

いろいろいじっているうちに折れてしまった葉。

葉の形は幅が広い。葉柄部分が短く見えるのは途中から折れてしまったからです。

画像検索するとエゴマの葉の葉身の基部に蝶ネクタイでもしたかのように小さい裂片が出ているものがけっこう見られますが、そういったものは見当たらずでした。

 

葉裏1

葉裏2

葉裏は少し紫色を帯びたものがあります。

 

葉の基部

ほとんどの葉が切形のような感じですが、このような広めの楔形も1枚ありました。(葉を伸ばすと広めの楔形)

 

葉裏1

葉裏2

葉の裏の葉脈上に長毛があります。

葉裏の紫色を帯びているのは主に葉脈でそれ以外の部分はあまり帯びていないようです。

香りについては、ほとんどアオジソの香りです。「ちょっと違いがあるんじゃないか?」と思いながら嗅ぐと、ほんの少しアオジソより柔らかいというか甘いような気もするのですが、ほぼアオジソのような感じ。

 

茎1

茎2

茎には下向きに曲がった毛などがやや疎らに生えています。

 

葉柄

葉柄には上向きの毛などが見えます。

 

花期が過ぎたあとの様子

花が全体に咲き終わった様子。

 

果期に入った花序

シソと比べると太く見えます。長さも平均的にシソより短め。

 

果期に入った萼の長さ

萼は約8mmと大きくなっています。

 

果期に入った 苞葉1

果期に入った 苞葉2

苞葉は現時点では残っています。

だいぶ頼りない感じになってますが、もしも熟す頃に苞葉が落ちてしまったとなるとかなりややこしい話になってくるので落ちないことを祈っています(笑)

 

萼の奥に見える分果

萼筒の奥の方で4分果が見えます。

花序の様子などはエゴマのような感じがあるものの、全体的にはエゴマそのものといった様子でもなく、シソっぽいところもあるということで、現時点ではシソとの交雑種の可能性、或いは野生化しているうちにこういう感じになることもあるのかなぁと考えてみたりしているのですが、エゴマにしてもシソにしても栽培品種が多数あるだろうし、なにが典型的なのかも難しいし、ましてやそれらの野生化したものとなるとなおさら難しいところがあるかと思います。(追記:エゴマらしいと思えるものも見ることができたので、そちらの記事もアップしました。)

 

(追加画像)

果実期の苞葉1

(10月上旬、以下4枚追加)丈の低い方の様子。

苞葉は枯れて落ちているものもありますが、一応付いています。

 

分果の大きさ1

分果は2mm弱といったところで、シソの果実よりはあきらかに大きく、エゴマサイズといえる大きさ。

 

果実期の苞葉2

丈の大きい方の様子。

苞葉の感じは似たような感じで一応付いています。

 

分果の大きさ2

こちらは分果が1.3mm前後?1.5mmはない感じでシソとほとんど変わらない大きさでした。

表面の網目模様はどちらも似たような感じ。

ということで、片方はエゴマサイズでもう片方はシソのサイズという微妙な結果でした。

最近、エゴマらしいエゴマを見ることが出来たのもあり、それに加えて果実の大きさのこの中途半端な結果を踏まえて考えると、やはり交雑種なのかなという感じです。

 

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