シソ Perilla frutescens var. crispa
基本的には栽培されるものですが、たまに逸出したものも見られます。
タイトルはシソとしていますが、全体に紫色を帯びたアカジソ(f. purpurea)、全体に緑色をしているアオジソ(f. viridis)、紫色で葉が縮れるチリメンジソ(f. crispa)、緑色で葉が縮れるチリメンアオジソ('Viridi-crispa')、葉の裏側だけ紫色のものカタメンジソ('Discolor')などなど様々な品種・園芸品種があり、さらには交雑種もあるようです。見分けが困難なので、記事内では外見の色から単純にアカジソタイプとアオジソタイプとして載せています。
ツルマメが絡んでいますが、草地に生えていたアカジソタイプ。
花は紅色を帯びた唇形花。上唇はごく浅く2裂しています。
雄しべが4本と上唇側に先が2つに割れた雌しべが見えます。
花は正面からで3mmほど。
横から見た長さは萼筒部まで入れて、だいたい4mm。
萼筒には長毛が生えます。花冠にはそれよりやや短い毛がみえます。
上側の萼裂片は3裂。
下の2つの裂片はやや長めでシャープな感じ。
花柄の基部に付く苞葉は中肋から外側に反り返っています。
葉の様子。
葉の基部は広い楔形とされますが、そうでもないものもけっこう見られました。
葉表の様子。短毛が散生してます。
葉裏の様子。腺点が見えます。
茎にはそれほど長くはないですが軟毛が疎らにあり、葉柄には少し長めの軟毛があります。
花後の様子。奥の方に4分果があると思いますが、途中が狭まっているせいか上側に2つあるように見えるものの、下側の2つははっきり見えませんでした。
萼は果実期では花期より大きくなっています。
合わせ方が雑ですが、7mmくらいになっていました。
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ここからは特に差はないと思いますが、庭に生えてくるアカジソタイプのシソで撮った写真。
例年に比べて数が少なく小さなものばかりでした。(来年以降なくなってしまうかな?)
特に変わりないと思いますが、萼の様子。
葉の両面の様子。
花後の様子。下側の萼裂片がクロスしているのがちょっと可愛らしい。
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ここからは同じく庭に生えてくるアオジソタイプです。
狭義にアオジソ(f. viridis)といえるかわからない、微妙な葉の様子かなと思います。
家には先ほどのアカジソタイプと後日載せると思いますがエゴマ系と思われるものがあり、なにより長年ひとりでに種子で生えてくるものなので、交雑が起きていたり、もともと何かの品種か園芸品種だったとしても、特徴が維持できているのかも不明です。
花冠はほぼ白っぽいですが、薄っすらと紅色を帯びています。上唇は浅く2裂し、雄しべは4で上唇よりに先が2裂した雌しべが見えます。
花冠には短毛があり、黄色っぽい腺点も少し見えます。
基本的には花色以外、先に載せているアカジソタイプと変わらないと思います。
上側の萼裂片の様子。
下側の萼裂片の様子。
萼には長毛が生え、黄色っぽい腺点もたくさん見えます。
花の長さは萼筒まで入れて4mmくらい。
幅は3mmほど。
花柄の基部の苞葉。同じく中肋から外側に折れるように反り返っています。
葉によって程度に差がありますが、葉はやや波打ち、鋸歯の様子も狭義のアオジソとされるものより荒々しいと思います。(間違いなくこれぞアオジソというものがどういうものかいまいちつかめてませんが。)
かといって縮れ方などチリメンジソほどでもない気はしますが、どうなのかはっきりしないところです。
葉の基部は一応広めの楔形という感じ。ただ、もっと丸い感じのものなどあり、全ての葉がこういうものというわけでもない。
葉表の様子。
葉裏の様子。腺点が見えますがちょっと少ない。
(2016年9月上旬)
昨年撮った写真ですが、こちらでは全体的に腺点が見えます。
中には葉裏が紫色を帯びたものもあります。こういった葉は表側も少し黒ずんで見えます。
このところ気温が低めな日が多かったことによる紅葉的なものなのか、同じく庭に生えているアカジソとの交雑が起きているのか、もしかするとカタメンジソ('Discolor')の要素があるのかなど色々考えたりしてみましたが、主に日差しや風にさらされる位置にある葉で多く、陰になったところではそうでもないので、やっぱり紅葉的なものかも。
茎の様子。下向きに曲がった軟毛が生えています。
花後の様子。
上側の萼裂片部分が、面白い形をしていました。
下側の萼裂片はアカジソタイプでも見られましたが、クロスしていたりしています。(してないものもあります。)
分果の様子はやはり萼筒が括れているせいなのか、下側2つがよく見えませんでした。
ニラなんかもそうですが、こういったものはほとんど栽培品の逸出なので、狭義になんなのかというのは、自然に生えてきたものではもうなんとも言い難いものが多いのかなと思います。
(追加画像)
(10月上旬、以下4枚追加)
苞葉は萼が枯れたものでは落ちていることがほとんどのようです。それ以外でも落ちているものもあるようでした。
茎の色などでわかりますが、一応書いておくと家に生えているアオジソタイプのものです。
また萼が枯れたものではすでに中の果実も出たあとになっていました。
萼が枯れる手前くらいがちょうど分果が熟している感じ。
分果の長さは1.2mmくらいでした。
表面に網目模様のようなものが見えます。
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