ハナトラノオ Physostegia virginiana
公園内の湿り気のあるところで見かけるシソ科の花。
基本的に園芸植物なので、写真のものもなんらかの園芸品種名があるのかもしれません。(原種の基本色がよくわからないし)
草丈は1mかそれ以上あるかなと思います。直立した茎の先に長い穂状花序を出します。(写真では花を咲かせている花序以外にも両サイドに2本の花序が出ている。)
こういった長い花序を持つ花にはよく「トラノオ(虎の尾)」という名前がつけられますが、花も大きくて目立つことから「ハナ」と合わせて付けられた名前かと思われます。
別名にはカクトラノオがありますが、そちらは茎が四角いことからそう呼ばれるようです。
花はシソ科らしく唇形花。雄しべ(葯)が4つあるのが見えます。
花色は白色のものや紫が強いものなど色々あるようですが、写真のものは薄紅色で下唇に斑点があります。
こちらの写真では上唇の内側に2裂した雌しべの柱頭がちらっと見えます。
花の付き方は、葉と同じように十字に対生してついているようです。また、花ごとに苞葉があるのが見えます。
花後の様子になりますが、萼の先は5裂しています。
シソ科らしくこの中に分果が出来るのだろうと思いますが、微妙に近づけない場所なのでいろいろ細かい様子は見ることは出来ませんでした(一番上に写った萼筒の内部にはちらっとそれらしきが見える。)
整然と十字に対生している葉。
葉の先は細く尖っていて、縁には鋸歯が並びます。
性質が強く野生化しているともされますが、ここのものはおそらくですが、誰かが家で増えすぎたものが持ち込まれたものかなと思います。地下茎でよく増えるようですが、種子であちこちに生えてくるタイプではないようには思うし、そういったことはよくあることなので。