ツユクサ Commelina communis
湿り気のある場所でよく見られるツユクサ科の植物。
花には両性花と雄花があり、この写真の花は両性花。
両性花では長い雌しべがあります。(写真で一番長く伸びているもの)
雄しべは合計6本ありますが、雌しべの次に長い2本が花粉を出す雄しべ。
その次にその半分の長さでちょうど写真中央あたりに見える1本の雄しべは花粉が少ない不完全雄しべ。
そして、一番短く花の中心でよく目立つ雄しべは花粉を出さない仮雄しべ(全く出さないわけではないが不稔らしい)。
こちらは雄花。
雄花では両性花にあったような長い雌しべはなく、短く退化しています。
因みに、長い2本の雄しべの花糸の下に見える先が尖った膜質の細いものは、よく目立つ2枚の青い花弁とセットの花弁。(内花被片3とする場合も)
後ろから見て見える3つの膜質のものは萼片(外花被片)でこれも3枚セット。上側につくものは先が尖る形をしているようです。
因みに写真の花は、花序の主軸とされる先端に付いた花。そういったものは決して珍しくはないですが、この軸の先には花が付かない場合の方が多いです。
主軸の先に花のないもの。
花序は苞葉の中に隠れていて、中に蕾が待機しているのが見えます。
花のない主軸の先端に丸い突起のようなものがついている。
通常のツユクサと違い、苞葉に毛が目立つものはツユクサの品種でケツユクサ(ヒメオニツユクサ)とすることもあります。
いくつも見たわけではなく今回見たものでの話ですが、無毛に見えた通常のツユクサですが、よく見ると完全に無毛ではありませんでした。
ということは、ツユクサとケツユクサを毛の量だけで見分けようとすると、他の植物でもよくあるようにやっかいなことになることが考えられますが、ケツユクサには他にも花弁や苞葉、短い仮雄しべの形状などにも特徴があったりするので、同一とする考えもあるものの、別なものと分ける意味もある気がします。
こちらは苞葉の側面などの毛は目立たないものの、上側の縁の毛が目立つタイプ。
その花の正面からの様子。
短い仮雄しべの様子からすると、通常のツユクサと思われます。(追記: あらためて見るとX字形雄しべ(短い仮雄しべ)の中心にある茶褐色になる部分がほとんどないようで、ちょっと変わった花かも。)
いろんな変化があるかもしれずで、結局のところ実際には見分けが難しいものもあるのかも?
日陰に育つものの葉。
日当たりの関係か茎や鞘の部分など紅紫色を帯びず全体に緑色。
基部が括れて柄のようになっている。
葉裏の様子。
日当たりのいいところで撮った葉。
暑さのせいか谷折りになっている葉。
葉の基部の鞘状の部分。縁を中心に微毛があります。
上のものと同じ場所ですがやや茂みの中にあったもの。
日当たりのいいものほど赤味を帯びやすいのかと思います。
(2015年9月中旬)
一つの花はほぼ半日(午前中)だけの花で、季節は早いものでは6月には見かけるようになり、秋まで見られます。
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