トウコマツナギ(キダチコマツナギ) Indigofera bungeana
道路沿いの土手などに見かけるマメ科の低木。
別名がキダチコマツナギというように、似た花のコマツナギと違い明らかに「木」という姿になります。
遠目には萩のように見えます。
中心に写るものはかなり高く、2m以上はあるかなといった感じでした。
辺りを見回してみると縁石沿いに若い個体があったのですが、このような若い株でも花が咲いていました。
こうした小さいサイズでも花を咲かすようで、こうなってくるとコマツナギとの見分けは少々厄介かもしれないですが、このサイズでのコマツナギより葉が大きいので、コマツナギとしては違和感はあります。
株元からは多数の茎が出ていて、斜上や直立するものだけでなく地を這うように伸びている茎もありました。
丈は50cm前後。
そういった若い株がけっこう生えていました。
こちらは中心の一番高くなった茎(幹)で1mくらい。
草刈りにあっているようなので、その影響でこうした株立ち状の姿になるのかもと思われます。
トウコマツナギは基本的には成長がかなり早いと思われ、早々と「樹」の姿になります。
横からみた長さは5mmくらい。
花の縦の長さは6mm程度。
特にコマツナギと差がある感じはない。
萼歯はコマツナギのものに比べて短く、萼歯を指に喩えるなら指の間に水かきがついたような?グローブのような?様子をしていることが多いように思うのですが、そうでもないものもあったので絶対的な特徴でもないかもしれません。
トウコマツナギの萼。
花序の軸の様子。
花色は濃いもの薄いものあります。
花序の長さは写真のもので6cmちょっと。
側小葉は4~6対。
「木立」になっていたものの葉。長さ6.5cmくらい。
縁石縁に生えていた若い株の葉の方が長いものが多い感じで、こちらは10cmほど。
若い個体の方が葉が大きいことはよくあるので、そういった状態かも。
平気的にはトウコマツナギの方がコマツナギより小葉が少し大きい(長い)ものが多く見られる気はします。
小葉には両面とも伏した白い毛が生えています。
葉軸の様子。
いかにも「木」になったものの幹。
こうして一本立ちのものもあれば、数本の株立ち状になっているものもあります。
幹は太いものでは4~5cmありました。
若い果実。
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(9月下旬、以下7枚追加)熟す手前の果実。
全体的な様子。
果実の長さ。
だいたいは3.0~3.5cmが多いような気がしましたが、長いものは4.5cmくらいのものもあり、短いものでは2.5cm程度のものもありました。
また、長めの3.5cmくらいのものが多い株と、3.0cm前後のやや小さめのものが多い株など分かれてました。
あくまで平均的にですがコマツナギより長めの傾向はあるようです。
果実の様子。
(2018年4月中旬、3枚追加)
若葉が出てきている。
枝先まで生きていて新芽が出ています。
(コマツナギでは株元付近を残してほぼ枯れている。)
(2018年5月上旬、以下2枚)種子の様子。
5月にまだあった果実からの種子の様子。
横長のやや角ばった形。ぼこぼこ窪みがあります。長い辺で長さは2mmほどありました。
同じように今時期のコマツナギも僅かですが残っていたので採取してみましたが、コマツナギの方が球形に近く、大きさもやや小さいものでした。
けっこう見た目に差があるようでしたが、そこまで差があるとなると見分け方として一般的に知れ渡っているはずなので、もしかしたら個体差や充実度によって変わるかもしれないと現時点では思います。
ちゃんと晩秋あたりに再確認しないとならないようです。
種子を飛ばしたあとの果皮。捻じれて種子を飛ばしますが、種子ごとの間には種子と同じ長さくらいの白いスポンジ状の仕切りがありました。
(2018年11月中旬、以下2枚)果実の長さ。
短いものでは2.5cm程度と、平均的なコマツナギのサイズのものもありましたが、長いものでは4cmクラスのものもありました。
それぞれが同一の株に混在しているのではなく、株によって長さがほぼ決まっているようでした。
(最右列の2つは種子としてしっかり熟していない感じ)
大きさ的には、コマツナギとさほど変わらないものからだいぶ大きいものまでありました。果実の長さと同じように平均としてはトウコマツナギの方が大きいという感じのようです。
また、形状はトウコマツナギの方がやや縦横比に差があり、コマツナギの方が比較的球形に近いように見えます。
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