コマツナギ Indigofera pseudotinctoria
道端の草地に見かけるマメ科の植物。
株は放射状に這うように広がります。
這う枝と斜上する枝があり、株の中心の枝などは直立するものもみられ、高さは50cmくらいになります。
這うように伸びた枝の様子。
花はマメ科らしい蝶形花で、花弁には毛があるようです。
旗弁以外(翼弁や竜骨弁)が落ちやすいようで、このような状態になっている花が多い。
下側の萼歯を見るとコマツナギの方がトウコマツナギより長い様子をしたものが多いと思うのですが、トウコマツナギにもそうしたものが見られたので特に違いというほどのものではないかも。(トウコマツナギの記事に比較画像があります。)
正面からの花の縦の長さは6mm程度で、写真のもので花序の長さは3.5cmほど。
花序の先の蕾の様子。
葉は奇数羽状複葉。側小葉5対の葉。
側小葉4対の葉。
側小葉6対の葉。ざっと見た感じでは5対が多いようでした。
小葉の両面、葉軸とも伏した毛が生えています。
葉の長さもそれぞれ差があるので目安ですが、写真のもので6cm程度。
側小葉の長さは約1cm。
側小葉の幅は、7mmくらい。
頂小葉の先は鈍いか凹んでいるものが多い。
株元の様子。
分岐する枝の様子。
枝が這うようによく伸びた株。中心には直立している部分もあります。
個人的に名前の由来は、コマクサのように花の顔(様子)が馬のように見え、それが連なっている様子からか、或いはコマ(将棋のコマでもオモチャのコマでもいいですが)が繋がっていることからかなと思ったりしますが、馬を繋げるほど茎が丈夫であるというのが一般的な説です。
確かに樹木(コマツナギも木本ですが)の生えていない草地においては、頑丈な植物の一つであるとは思いますが、枝の様子を見ても分かりますようにかなり細く、たとえ昔であっても馬の引手にしろ手綱にしろもっと太かったと思うし、括りづらそうです(笑)でも、藁にもすがるじゃないですが、実際になにも繋ぐものが見当たらなかったら、その昔はやっぱり繋いだことがあったのかな。
(追加画像)
(7月中旬)
花が咲き進み、花序の下部には若い果実がたくさんついています。
(同じく7月中旬)
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(9月中旬、以下4枚追加)若い果実。
長めのもので2.5cmほどありました。(追記:下に3cmあったものも追加。)
同じ時期にトウコマツナギも測ってみましたが、比べると平均的にコマツナギの方が短いようではありました。
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(9月下旬、以下2枚追加)
2cmくらいのもの。
3cmあるものもありました。
(2018年4月中旬、4枚追加)
春の芽吹きの様子。
枝はほとんど枯れていて、地際から10cmくらいまでは枯れずに残っていて、芽が出ていました。
こちらは少し形よく残っていたもの。
中央のあたりの直立した一本が比較的枯れずに残っていて、地際から20cmほどの高さまで芽が出ていました。
(因みにトウコマツナギは全体に枯れずに枝先まで芽吹いていました。)
(2018年4月下旬)種子の様子。
今更ですが、わずかに残っていた果実から採取したもの。
やや楕円形といった形で、大きさは1.8mmくらい。
トウコマツナギも確認してみましたが、形がもう少し角ばった形で表面の窪みが目立ちました。大きさも2mmほどありました。
見た目にトウコマツナギの種子とはずいぶん差があったのですが、個体差や充実度の差の可能性もあるので、あらためて晩秋に確認が必要かと思います。
(2018年11月中旬、以下2枚)
果実の長さは2.5cmくらい。
トウコマツナギでもこのくらいの長さのものもありましたが、4.0cmクラスのものもみられました。
(2018年11月中旬)
一番右端のものは未熟なものかも。
一応トウコマツナギの方が大きいものがあって、果実の長さと同じように平均するとトウコマツナギの方が大きいという感じかも。
形はやはりコマツナギの方が球形に近いように見えます。
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