Familiar Flowers 2

身近で咲く花たち。

チダケサシ Astilbe microphylla

全体像1

林の縁の草地に見かけるユキノシタ科の植物。

 

花の写真1

花序が大きめのもの。

 

花の写真2

やや小さくまとまった感じのもの。

花序は垂れず側枝は短めで真横~斜上しています。

 

花序の様子

小さな花の集まり。

 

花の様子

一つの花の様子をくっきり写すのはなかなか大変でうまく撮れないですが、細い花弁が5枚(オレンジ色の番号)あり、雄しべは10個あります(水色の番号)。

雌しべの柱頭は、オレンジの4あたりにある花でみると2つで、水色の9の横の花でみると3つ。

 

花弁の長さ

花弁の長さも測りづらいですが、矢印の先のものをだいだいの目安にして5mm程度。

トリアシショウマと同じで雄しべより花弁の方が少し長い。

 

花軸の腺毛

花序の軸などに腺毛がびっしり生えていてべた付きがあります。

 

花序の枝の基部

一番下の花序枝の基部。細い線形の苞らしきものがあります。

 

蕾の時の様子

(2016年6月中旬)

蕾の状態でみると、その苞らしきが何個かの蕾ごと(花序内の柄ごと)に付いているのが見えます。

 

葉の様子1

葉の様子2

葉は3回奇数羽状複葉。茎の上部につく葉は2回。

 

小葉の様子1

小葉の基部は楔形~切形で、先端は鈍いものと尖るものがありますが、トリアシショウマやアカショウマのように尾状にはなりません。

 

葉の様子3

小葉の様子2

中には頂小葉の基部が小さく心形になったものもありましたが、たまにはこういうのもあるのではないかと。

 

しっかわり分かれていない頂小葉

例えば、頂小葉とすぐ下の側小葉がはっきり分かれずに片側だけ裂けたものや3裂のものを見かけますが、しっかり裂けることによってそれぞれ「頂小葉は楔形」「側小葉は切形」となるものの、分かれずに合着したままだと心形になっているようです。

それを踏まえて先ほどの葉を見ると、頂小葉とすぐ下の側小葉との間がかなり開いている点や、頂小葉の幅の広さからして、おそらく裂けるまでに至らなかった状態だったので心形になっているのかなと思います。

 

先が尖るタイプの小葉2

別な場所のもの。先が尖っているタイプ。

草刈りに遭い、刈られた後に新たに生えてきたもので、やや全体に葉が小さめです。

この場所は悪いタイミングで草刈りが入るようになってしまいこのところ花がほとんど見られなくなっています。いい感じにたくさん咲いていた場所だったので残念。

 

葉先が鈍いタイプ

その場所での葉先が鈍いタイプ。

 

頂小葉の長さ1

頂小葉の長さ。写真のもので7cmくらい。

 

頂小葉の長さ2

先ほどの葉の基部が心形になっていたもの。4cmないくらい。全体に造りの大きいトリアシショウマと比べると小葉も小さめ。

 

葉軸

葉軸の分岐部分。赤味を帯びていて長い褐色の毛があります。

 

株元付近

茎の最下部が赤味を帯びていて、長い褐色の毛が密生してました。根生葉の柄もいくつか見えます。

 

葉柄基部付近1

茎につく一番下の葉柄基部付近。この辺りも褐色の長毛が多い。

 

葉柄基部付近2

一つ上の葉柄基部付近。やや毛の量が減っています。

 

葉柄基部付近3

さらに上というか最上部の葉柄基部付近。(茎に付く葉は少ない)

だんだんと上部にいくほど長毛は減り、反対に腺毛が多くなります。

葉腋に間違えた感じで花が一つだけ付いてました。

 

全体像2

全体像3

名前の由来はチチタケ(乳茸)を茎に刺して持ち帰ったことからなどといわれますが、実際のところは不明なようです。

 

(追加画像)

花の写真3

(7月中旬)また別な場所のチダケサシ。

 

若い果実

(7月下旬、以下3枚追加)

安吾の果実になってきた様子。

 

果実期の様子1

果実期でも花序は垂れていない。

 

果実期の様子2

茎から全体が横になったもの。それでも花序の上側になった枝は垂れていない。

 

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