ハンゲショウ Saururus chinensis
湿地に生えるドクダミ科の植物。
草丈は1mほどになり白く色づいた葉が綺麗なので観賞用にも栽培されますが、写真のものもそもそもは植栽されたものかなと思います。
(6月下旬)
白い葉が印象的なハンゲショウですが、まだ花が咲く前の段階ではまだ白くなっていません。
花序の出る位置は先ほどの写真が見やすいですが葉と対生する位置から出ているようです。
細長い蕾の部分が垂れた総状花序に花弁のない花を多数咲かせます。
花序の垂れた部分の咲き始めの花(蕾)の様子。
花ごとに淡い緑色をした小さな苞がついています。
順番はわかりませんが、葯が開いて柱頭も活性化したいわゆる花の状態になっている辺りでは、花軸や花柄などの白さが目立ち、苞の色もさきほどより少々ですが白っぽくなっているみたいです。
柱頭や雄しべの数にはバラつきがあるようですが、この写真中央の柱頭が4つで雄しべが6つの花が一番多いかな。
こちらは柱頭が5つあり、雄しべは8個くらいある花。(葯が一つくっついているような)
花軸や花柄に短い開出した毛が生えています。
花が目立たない代わりに葉が半分ほど白く染まることで昆虫たちの目印としているようです。
名前の由来はその様子から「半化粧」という説と、雑節の「半夏生」の頃に咲くことからという説があります。因みに、2017年の半夏生は7月2日だそうでまさに「頃」でした。
ところで、その雑節の半夏生の由来の方は、半夏(カラスビシャク)が生える頃とも、このハンゲショウが咲く頃ともされているようです。
でも・・・ハンゲショウが咲くころが半夏生で、半夏生の頃に咲くからハンゲショウということになると一体「どっちが先なんだ?!」という話になるような(笑)(かといってカラスビシャクは実際のところもっと前から生えている。まぁどっちでもいいんですが(笑))
そんなわけで上部の数枚は花期には白色を帯びますが、茎に付く葉は普通の緑色。
葉柄部分に翼があるようで基部が茎を抱くような感じになってました。
けっこうはっきりとした翼。この時期だと雨が多く水が溜まりそうだし邪魔な気がしますが、なんか意味があるのかな。
そういえば、ドクダミ科の植物はドクダミ自身とハンゲショウくらいしか思いつきませんが、ハンゲショウも観察していたらちょっとツンとした臭気はあるようでした。