トリアシショウマ Astilbe odontophylla
林の縁に見かけるユキノシタ科の植物。
花序の枝がよく分岐する特徴があります。花序の全体像はかなり大きく、この一つの枝で20cmくらいありました。
そういえば、どんな香りだったか忘れてしまいましたが、芳香もありました。
花序の先が垂れます。
細い白色の5弁花で、萼も5裂。雌しべは花柱が2つに分かれていて、雄しべは10個で花弁よりやや短い。
花弁の角度と定規の角度があってないのできっちりしてないですが、花弁の長さは4~6mmとされます。
花序の軸などに腺毛が密生しています。
小葉の基部は心形で3回3出複葉とされますが・・・3回奇数羽状複葉でした。
(2016年6月下旬)
一応昨年の写真(場所は同じ)には3回3出複葉の葉もありました。育ち具合によって奇数羽状にもなるということかな?
頂小葉の先の様子。尾状に尖ります。
鋸歯は重鋸歯。
頂小葉の長さは写真のものでは、側小葉と合着しているものですが、合着した部分を差し引くと12cmくらいかと。そもそも尾状の部分も写ってない雑写真ですが、目安程度に(苦笑)
上のものもそうでしたが、けっこう頂小葉とすぐ下の側小葉がしっかり裂けずに合着しているものも見かけました。もちろんそうでないものも普通にあります。
側小葉の様子。
15cm(余白が+1cm)の定規を置いて、適当な大きさの目安写真。
葉軸の様子。腺毛がごくまばらに見えます。
緑色をした茎の他に根生葉の柄が2本写っています。
葉柄の基部と茎の様子。
けっこうまとまって生えているわりに、あまり花がないのですが、
折れているものがけっこうあったので残念。
似た花で見かけるものはチダケサシくらいなものですが、チダケサシは花序が垂れず花色は普通淡紅色で、葉も小型で基部が楔形。
見たことがないものではハナチダケサシとアカショウマなどがあり、ハナチダケサシは花序があまり垂れず、花弁が雄しべの2倍の長さ、小葉の先が尖っても尾状にはならず、アカショウマは花序の分岐が少なく、花弁の長さが3~4mmで雄しべより短いか同じくらい、葉柄基部に褐色の鱗片状の毛がある(ことが多い?)という特徴。
他にもあるしけっこう変化が多い仲間のようでもあるので、それぞれの比較的典型品を確認できたらきっと頭の中でも整理しやすいのでしょうけど、難しい仲間だと思います。
(2016年6月下旬)
トリアシショウマの記事は昨年一度、ちょっと変化のあるタイプなどと一緒にあげていたので、今回の記事は上げ直しになりますが、この淡紅色のものはそのときにあげていた一つのタイプ。
今年は今のところ見かけていないのですが、昨年はこういった色のものがトリアシショウマにあるのかよくわからなかったのですが、ウスベニトリアシショウマ(A. o. f. rosea)というものがあるのを知りました。今年も咲いてたらあらためてよく見てみたいと思います。
(同じく2016年6月下旬)一応上の写真のタイプの葉の様子。
(追加画像)
(7月下旬)
果実の様子。2つの花柱がそのままある。
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