ヘラバヒメジョオン Erigeron strigosus
道端に見かけるキク科の花。ヒメジョオンに花(頭花)はそっくりです。
花序の枝につく小葉がヒメジョオンの方が大きく、目立つようでした。
ヘラバヒメジョオンに戻ります。
筒状花が中心まで咲き進んできているもので、頭花の径は2cmちょっとくらい。(ヒメジョオンも測りましたがほぼ同じ。(追記: この時点ではそうでしたが、6月中旬になり花もピークになってきてみると、ヒメジョオンの方が大きいものが目立つようになったと思います。(差は計測していませんが))
総苞の様子。
蕾の様子。
初めの2枚を見ても分かりますが、似た花のハルジオンとの見分けに単に蕾が俯いているかどうかというのはあまり参考にならないといえます。
中間に付く葉が、へら型で細いのが特徴で名前の由来。
葉の縁は基本的に全縁ですが、鋸歯がでない構造でもないでしょうから稀に少しある場合もあるかと思います。
因みに写真の葉で幅は7~8mm。
葉の基部は茎を抱きません。
茎の毛がヒメジョオンと比べあまり長くないようで目立たないようでした。
中間から下に向かっていくにつれ、スプーン状になっていき低い葉柄がある葉になってきます。また低い鋸歯が見られるようになります。
両面とも有毛です。葉の縁の毛などもヒメジョオンより短く見えます。
(2016年5月末)左がヒメジョオンで、右がヘラバヒメジョオン。
この写真の色合いは少々わかりづらいですが、茎や葉の色はヘラバヒメジョオンの方が見た目に濃い緑色をしている傾向があります。(ヒメジョオンの記事に混生の様子の画像があります。)
ところで、ヘラバヒメジョオンは別名ヤナギバヒメジョオンとも言われますが、ヒメジョオンとヘラバヒメジョオンの交雑種がヤナギバヒメジョオンとされることもあります。しかし、いろいろ調べてみましたが、ヤナギバヒメジョオンという名前だけが独り歩きしているような感じで、情報は混乱しているように感じました。
Ylistでヤナギバヒメジョオンは、Erigeron pseudoannuusとされていますが、学名で検索をかけても、海外の情報はほとんど出てこないようです。
ということでヤナギバヒメジョオンに関しては詳細不明ですが、いっそ別名としても、交雑種の名前としても、ヤナギバヒメジョオンという名前は使えないことにしたらいいのにと思います。そもそも「ヘラバ」と「ヤナギバ」という付け方自体が紛らわし過ぎです(笑)
(追加画像)
下部の茎の毛の様子です。左がヒメジョオンで右がヘラバヒメジョオン。
ヒメジョオンは開出する毛ですが、ヘラバヒメジョオンの方は下向きの毛でした。
個体差があるかどうかまではわかりませんが、混生し隣合っていたもので写真のように明らかに違いました。(混生の様子はヒメジョオンの記事の方に。)
(6月中旬)
今度は並びが逆になってしまいましたが、左がヘラバヒメジョオン、右がヒメジョオンです。
下向きかどうかは少々微妙な場合もあるな~という感じ。毛の長さや少々縮れた感じなどには差があるでしょうか。中にはヒメジョオンで最下部の茎の毛がなくなっているものもありました。
でも、わざわざ微妙な茎の毛で見分ける必要もないので、こんな感じということで。
(同じく6月中旬)よく咲いていたヘラバヒメジョオン。
この時期になりヘラバヒメジョオン、ヒメジョオンともによく咲いている様子を見ると、やっぱりヘラバの方が少々花が小型に見えます。
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