Familiar Flowers 2

身近で咲く花たち。

アイノゲシ Sonchus oleaceo-asper (?)

花の写真1

アイノゲシノゲシとオニノゲシの交雑種ともいわれるものですが、その定義がノゲシとオニノゲシの中間的な姿ということで、それがひとつの型しかないならいいですが、タイプがいくつもあるのかもしれないし、中間的なものはすべてアイノゲシとするものなのか、よく分かりません。

ノゲシとオニノゲシそれぞれの個体差や変化の範囲をどこまでみるかにもよってきも変わってくる気がします・・・。

タイトルに「?」を付けておきましたが、ここでは個人的にそうかなと思ったものを載せているものの、アイノゲシというものに本当に当てはまるものなのかどうかはわかりません。

(追記:下の方にある5月中旬追加のものが、一番アイノゲシと呼べるものかもという気がします)

 

全体像

草丈は40~50cm程度だったかと思います。

 

全体的な葉や茎の様子

下部から茎が多数出た姿はノゲシ的ですが、葉の様子はけっこう荒々しいのでオニノゲシっぽい感じもあります。

(もしかしたらですが、かなり早い段階で草刈りにあい、中心の茎が切られてしまったために、側枝がいっぱい出ているという状況の可能性もあるかも。)

でもそれにしても葉の裂片がずいぶんと細いのでホソバノゲシ(S. tenerrimus)という名前も浮かんだのでそれも考えたのですが、学名で画像検索して出てきた海外のサイトの画像を見る限り、このような荒々しい鋸歯はないようでした。

 

総苞

総苞は刺状の毛などはほぼありませんでした。腺毛もないようです。

 

花後の総苞

赤褐色の粒々が見えますが、虫か卵か付着しているのかなと思います。

 

花柄、小花柄1

花柄、小花柄2

花柄、小花柄ともに腺毛はありませんでした。

 

茎の上部

茎の上部も腺毛はなし。

 

上部の茎の葉の基部

上部の葉の基部の裂片。

ノゲシのように張り出していますが茎を抱き込むように閉じたりはせず、オニノゲシのように開いています。ただしオニノゲシのようにサイドが巻いてはいませんでした。

 

葉の様子1

葉の様子2

中間くらいの葉も同じように基部は開いていてほとんど巻いてませんでした。

葉の縁の鋸歯が長くて多数あるのが目立ちますが、痛くはありません。一部がちょっとチクチクする程度。

 

果実がぎりぎり1つ残っていました。ノゲシ類は一斉に花だけだったり綿毛状態のものばかりだったりするので、一度にその株について観察できないことがけっこうあるので良かったです(笑)

 

果実の様子1

縦の筋がありますが、横の皺はノゲシに比べると曖昧な感じ。

(どの程度から曖昧な感じといえるのか、それ自体が曖昧ですが)

 

果実の様子2

後日、再び同じ株の痩果を見てみましたが、やはり横皺が曖昧な気がします。

 

花の写真2

そんなわけで、オニノゲシとはいえないしノゲシともいえない・・・ということでアイノゲシとすることにしましたが、いいのかどうかはわかりません。

中間的とするには葉の様子など個性が強すぎる気がしないでもないです。

 

アイノゲシかな?と思うものにはこれ以外にも、果実を確認すると、横皺が曖昧な気がするようなしないようなといったものや、

結実していないもの

こんな感じで結実してないものもあったり・・・。交雑種は不稔だったりすることもあるし、これもまたアイノゲシなのかもと思ったりしますが、「アイノゲシかも?」って思いながら見ていると全てがそう見えてきてしまいます(苦笑)

 

中間型というものの外観に幅があるのなら、たとえば果実の横の皺だけ受け継いでるタイプとか、葉の様子だけなど、ほんの一部だけがどっちか寄りっていうのもあったりするのかもしれないし、外見だけで判断するのには交雑種系の見分けって限界があるような気がします・・・。ちょっとした違いならそれがノゲシやオニノゲシの個体差の範囲内かもしれないわけで。

途中で出てきたホソバノゲシという存在までも考慮するなら、もしかしたらそのホソバノゲシとオニノゲシの交雑種なんてことも無きにしも非ず?・・・とかなんとかそれ以上考えだしたらもう限界なので終わりにします(苦笑)。

 

(追加画像)

花の写真

記事翌日。なんとなく気になったものを、見てみました。

 

全体像

全体像はこんな感じ。

 

葉の様子

葉の様子。前回と比べるとやや裂片に幅がありますが細め。鋸歯も前回のものよりは少な目。触った感じは、痛くもないけどちょっと硬いのでチクチクしたりしなかったりという程度。

 

葉の基部1

葉の基部2

葉の基部の裂片はそれなりに閉じている。

総苞や花柄にはアブラムシが多すぎたので撮りませんでしたが、総苞の刺状の毛はなく、花柄なども含め全体に腺毛はなし。

 

果実の様子

痩果の表面はの横皺は明瞭でない感じ。

 

全体像

(5月中旬、以下5枚追加)

花が咲いていないし、果実の様子も未確認ですが、アイノゲシらしいアイノゲシかも。

葉の基部の様子もさることながら、稜があるかなり太い茎で一本立ちしていてオニノゲシ感がある姿でありながら、葉の刺は全く痛くない。

 

総苞など

総苞は無毛。花柄と呼べる部分がどこかわからない感じの花序をしてますが、いずれにしても全体に無毛。

 

上部の葉の基部

上部の葉も基部が反り返り、裂片同士の閉じ方は曖昧。

 

中間の葉の基部

中間の様子。

 

さらに下の葉の基部

さらに下の方の様子。

果実の様子が確認できて、花の写真も撮れたならこれをメインに記事を書き換えたいかも。

 

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