ミチバタナデシコ Petrorhagia nanteulii
道路の縁石沿いで見かけるナデシコ科の花。
ミチバタナデシコの花は、似た花のイヌコモチナデシコ(P. dubia)に比べて中心の筋が赤紫色をしています。
葉鞘の比です。
この写真は茎上部で細めの部分。
赤味が差しているところが合着終わり部分として、約4mm。
幅は2mmちょっとあります。なのでミチバタナデシコの葉鞘比の1.5~2.0倍程度というのに当てはまるようです。
もう少し下部のやや太めの部分。
定規の位置が悪いですが、4mmちょっと。括れのぎりぎりまで見積もれば5mm?
幅は、3mmちょっと。
微妙な結果ですが、いい感じに見積もればなんとか当てはまるともいえる。
ただ、太めの茎になるほどどうも当てはまらないようです。(下の方にさらに測った追加画像有り)
イヌコモチナデシコの方でも、同じように茎の太いものなどではいわれているような比率にならないようでした。
そもそも、縦の長さがどこからどこまでなのかもはっきりわからないし、どうもすっきりした結果がでないので、見分けには花色と種子の様子だけでも事足りるので、もう葉鞘の縦横比はあきらめたいです(苦笑)
これら3枚はいずれもミチバタナデシコです。
株元付近にだいぶ葉が密集して見えます。
そして、イヌコモチナデシコはこんな感じ。あまり葉がない。
単にピーク時期を過ぎているからという可能性もありますが、一応現時点での様子は違うようでした。
(追記2018:ミチバタナデシコも後半では葉が茂っていませんでした。)
茎の毛は有毛か無毛ということですが、ほぼ無毛でした。(かなり拡大して見ると微毛が疎らにある。)
一応、葉の様子。
そんなわけで、葉鞘の比はこれまでもずっとすっきりしないポイントでしたが、今年もやっぱりいまいちよく分からないままです。
もうひとつ似た花のコモチナデシコ(P. prolifera)は、まだ見かけたことがありません。
次にミチバタナデシコの種子の様子をあげていますが、コモチナデシコの種子の表面は緻密な網目模様とのことです。
(2016年5月下旬)ミチバタナデシコの種子の様子。
上の写真の方は長めのもので1.8mm程度、下の方は短めで1.5mmくらい。
形は盾形と表されているようです。表面の突起は尖らないのが特徴。
あまり天候も良くなく花としても綺麗に撮れていないし、また後日あらためて結実しているものが出て来たら、今年の種子の様子も含め撮って画像を追加したいと思います。
(追加画像)
花径の写真。特にイヌコモチナデシコと差はないかと思います。
この2枚の写真のように、総苞のすぐ下にもう一つ苞のような小さい葉のようなものが付くものもあれば、ついてないものもありました。
しっかり目の茎、中間ほどの部分。
もう諦めている葉鞘の縦横比ですが、一番太い部分で5mmあるかないか。
合着部分の長さは、節の細くなったところで見ても、6.5mmくらい。
幅が5mmとすれば1.5倍でも7.5mm必要なので足りない。
「ほぼ」を適用すれば当てはまるのかもですが・・・。
その上部の細めの茎。
幅は3mmくらい。
長さは5.5mmくらい。1.5倍なら4.5mmあればいいし、2.0倍なら6mmなので範囲に当てはまる。
因みに、イヌコモチナデシコと同じように、茎の中間あたりでも分岐するようです。そうした葉鞘では特に幅が出ているので、測らずとも結果は当てはまらなそうな感じです。
以上のことからして、イヌコモチナデシコでもそうでしたが、やはり上部の細い部分だったり全体に細い茎などでないと、結果が微妙だったり、いわれているような範囲に当てはまらない感じになるように思います。
また、こうして写真に撮ってもその場で測らない限り、ちょっとしたアングルでミリ単位のずれが写真だと出ることもあるし、結局は花色と種子の様子が一番見分けにはいいんだろうな~と感じます。
今回、葉鞘の縦横比を測った株の種子。長さが1.8mmくらい。表面にこぶ状の隆起。
いまのところ葉鞘の縦横比は置いといても、花色と種子の様子でミチバタナデシコとイヌコモチナデシコは見分けられますが、コモチナデシコの花色も知りたいところです。種子の表面の様子なども画像では見たことがありますが、実際に自分で撮った画像ではどの適度差が感じられるのかも知りたいところです。
(2018年5月下旬、以下2枚)
ちょっと離れた別場所の花。
茎に明らかに毛がありました。
(2018年6月下旬、5枚追加)
株元の葉は枯れているようです。(写っているのは芝。)
花弁の筋の色は紅色。
この記事を載せた当時は花色がイヌコモチナデシコより濃い目なのではないかと思いましたが、今回見た様子では特にそういったことはありませんでした。
総苞の様子。
横から見た花の様子。
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