コオニタビラコ Lapsanastrum apogonoides
まだ耕される前の水田で見られるキク科の花で、春の七草の一つ「ほとけのざ」はこの花。標準和名でホトケノザというのはシソ科の別の植物になります。
畦というより完全に水田内で見かけます。といってもどの田んぼでも見かけるわけではなく、ごくごく限られた水田でしか見られないと思います。今年も咲いていてくれて良かった。
花は花径1cmほどあるので小さいですがそれなりに目につきます。
筒状花はなく舌状花のみで構成されていて、舌状花の数は6~9とされてることが多いですが、自分が見かけるのは11が多くて12のものもあります。いやでも、この花は13あるようです。と調べていると6~13としている情報も見つけました。
(追記: ページ下の方に別の場所で見つけた舌状花の少ないタイプの花も載せました。)
因みに、似た花ヤブタビラコは15以上。
総苞内片は長く、外片が小さい。
花後の総苞の形は円筒状。ヤブタビラコでは丸みのある長い球状のようになります。
葉は羽状深裂で無毛とかほぼ無毛とされてるようですが、「ほぼ」の感覚がわかりませんが、写真ではそれなりに毛はあるように思います。
葉はロゼット状に張り付くように広がっています。この様子から別名の「仏の座」があるのだろうと思います。「タビラコ(田平子)」も字の感じからするとこういう状態を表したものだろうと思います。「コオニ(小鬼)」はオニタビラコに対して草姿が小さいことから付いているようです。
(追加画像)
別な場所でも見つけました。ここではほとんどの花が舌状花9枚の花でした。(2016年4月)
(2018年4月下旬、以下4枚)
結局その後3か所の田んぼで確認できたのですが、この写真のような思いもかけない場所でも見かけました。
芝生がありますが、もともとは湿地状だったと思われる場所なのでその生き残りなのかな。
ここでは舌状花は8枚が多いようでした。
花後に下を向いた様子。
覗き込むと痩果が9つ詰まっていました。舌状花は9枚だったということかな。
コオニタビラコの痩果には角状の突起が2(~4)個あるとされますが、この時点の様子を見ると突起というには長く毛状に見えます。もしかすると、これが熟す頃には基部付近だけ残り突起状になるということなのかも。
(5月中旬、以下3枚追加)果実期の様子。
下を向いています。中央のものはすでに果実を落としたあとのもの。
前回は白い毛のように見えましたが、痩果と同じように白っぽい黄褐色になっていました。稜上には短毛が見えます。
痩果の長さはほぼ1cmくらい。
一部毛状に長いものもありますが、こうしてみると突起らしくなっているようです。
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(2019年4月下旬)
黄色っぽい点々はすべてコオニタビラコ。
たしか昨年は、にこんなに生えてなかったと思うのですが・・・。わざと種でも撒いたかのような様子。
その畦に生えていたもの。とても状態もいいです。
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