ヒメジソ Mosla dianthera
道端の草地に見かけるシソ科の花。イヌコウジュとよく比較される花で、2~3週間遅れて咲き始めたところです。花序はこれから伸びていきます。
ふと昨年の写真を見ると全く同じ日に最初の花が咲いていたようです。
上側にある2本の雄しべが花粉を出す完全雄しべで、見づらいですがその間に雌しべがあります。下側両サイドに1つずつ申し訳程度に見える小さいものは仮雄しべ。
正面から見て横幅は3mm程度。
萼の上側の裂片の尖り具合がイヌコウジュより鈍く、幅を感じます。中央の裂片が両端の裂片の長さと同等か短い様子をしています。
また、花軸の毛が目立たないのも違いのようです。
横から見た花の長さは6mmくらいでした。
葉は、輪郭に曲線を感じるイヌコウジュより直線的に見え、鋸歯の数が普通4~6対くらいと少ないのが特徴。鋸歯の数についてはイヌコウジュにも鋸歯が6対程度と少なめなものもあるので、単純に鋸歯の数だけでは判別できないこともあります。
葉の裏に腺点がありますが、イヌコウジュと比べると疎ら。
また、葉の表はヒメジソは腺点がありませんが、イヌコウジュは黄色っぽい腺点があります。(追記: ヒメジソにも腺点がありました。下に追加画像)
茎は4稜ある四角形。
そんなこんなイヌコウジュとは草姿は似ていますが、葉の形と腺点、花軸の毛や萼裂片の様子に加え、ヒメジソは葉に香り(匂い)が青臭いのみで特に無いので、その点も見分けのポイントになると思います。(追記:どうも微かにミントのような香りがするものもありました。)
(追加画像)
(2017年9月下旬)
ないと思ってろくに確認していませんでしたが、葉表に黄色っぽい腺点が見えました。
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(2017年9月下旬、以下15枚追加)
花色が濃いもの。花が大きく感じました。
花の長さは5.5mmくらい。
正面からの幅は3~4mm。
見た目には大きいように感じた花ですが、実際に測った感じでは、大きめの花ではあるにしても特別大きいわけでもない感じ。
上から見た萼の様子。
萼に長毛が目立つものがけっこありました。
萼裂片の尖りが鈍く幅がある感じで、中央の裂片は両サイドの裂片と同等か短い。
下から見た様子。
花後の様子。奥の方に分果が見えます。
花期より果期の萼は大きくなっている。
葉表に腺点がけっこうはっきりと見えましたが、特に香りはありませんでした。
鋸歯は何株か確認しましたが、3~5対でした。
葉表の毛が目立つものがあります。
葉の表に白い長毛が生えるシラゲヒメジソ(M. hirta)というものがあるようですが、そこまででもない様子でしょうか。萼の毛の様子なども長くて目立つものもあれば、そうでもないものもありなので、個体差かなと思います。でも、逆の個体差でシラゲヒメジソの毛が短めだったとも考えられるわけですが。
葉裏の脈状の毛もちょっと長さが目立ちました。
茎にも稜上に毛がありますが、通常は短毛ですが、少々長いものもみられました。ただしかなり疎らです。
普段みるものと花色のせいか印象が違って感じたので「ヒメジソとは別ななにか?」とも思ったのですが、ちょっと長めの毛が目立つことはあるものの、シラゲヒメジソとも言い切れない感じだし、基本的にはヒメジソの特徴のようではありました。
おまけですが、一緒にイヌコウジュが混じっていたので、並べて撮ってみました。
左がイヌコウジュで右が今回のヒメジソです。花によって差は違ってくるとは思いますが、ヒメジソの方が平均的に大きいようです。
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