Familiar Flowers 2

身近で咲く花たち。

不明のイヌホオズキ類の一種 Solanum sp.

花の写真1

全体の感じはアメリイヌホオズキのように見えるのですが、葉の裏が葉脈を残して紫を帯び、果実が黒く熟さず緑色のままです。

 

葉の裏の様子。

葉裏の様子

このように「葉脈を残して」紫色を強く帯びます。

 

発芽した双葉も葉の裏が紫を帯びる

これは発芽させてみたものですが、双葉の段階ですでに葉の裏が紫色を帯びています。

 

とても分かりやすい特徴のようで、実際は、

葉の裏が緑色の状態

常に紫色を帯びているわけではなく、タイミングによって紫色を帯びた葉があったり、帯びてなかったりしています。

 

多くの葉が紫色を帯びていないように見える場合でも、

葉の裏に紫色が残る葉

下の方の葉など含めよく探すと、こうして名残のような感じでうっすらと紫色を帯びた葉が見つかることがあります。

 

葉の形

葉の形的にはとくにアメリイヌホオズキとの違いはないと思います。

 

果実の様子。

果実、花序2

多くはアメリイヌホオズキと同じで4個前後です。

そして、小果柄の枝分かれ具合も萼の形もアメリイヌホオズキと同じタイプ。

 果実、花序1

これは7つありますがレアケースと思います。

 

熟しても緑色のまま

果実は最後まで黒くなりません。

写真のこの状態が最終段階の色で、小果柄や萼部分も枯れてきています。奥の方にはすでに萎れた果実が見えます。

 

緑色のまま枯れていく

種子や球状顆粒の数を一応見てみました。

 

種子と球状顆粒a1

種子と球状顆粒a2

種子66 球状顆粒3

 

種子と球状顆粒b1

種子と球状顆粒b2

種子46 球状顆粒5

 

という結果でした。

 

それより、先に発芽した双葉を載せているように、果実は黒くならなくても、種子には発芽能力があることは確認できました。

(発芽したものはその後の成長でも、特徴を引き継いでいる。)

 

といった感じで、葉の裏の色と果実の色が特徴的です。

 

一応他の部分も載せておきます。

花の様子

花の写真2

花色はこの時期は白ですが、秋にはやや紫を帯びます。

とはいえ、アメリイヌホオズキのように完全に紫色の花にはなりません。(この記事の2枚目の写真のような感じ。)

 

葯の長さ

この写真の花の葯は2mm程度ですが、これまで計った感じからはだいたい1.7~2.0mmといったところです。平均すると少しだけアメリイヌホオズキより大きい気もしますが、いずれにしても範囲内と思われるので差はあまりなさそうに思います。

 

花の写真3

今年も家に生えてきたもの。

ところで、家でイヌホオズキ類を観察するために3種類(このタイプを含めると4種類)を鉢植えで育てましたが、それ以前から生えていました。

そもそもの始まりは、家に生えていたものをアメリイヌホオズキと思って観察しだしたのが始まりでした。

なので、家でいろいろ育てた為に交雑したものが出来たわけでありません。

 

草姿1

畦道にも見られます。

 

草姿2

同じ場所の昨年(2015)の様子。

双葉の発芽したものは、家に生えていたものでなく、この道端に育っていたものから種子を採取し育てました。

 

株元の様子

株元の写真ですが、茎はアメリイヌホオズキのように少々黒っぽくなる程度の緑色です。

 

まとめ。

紫色を帯びる葉の裏の様子1

紫色を帯びる葉の様子2

果実の様子1

果実の様子2

確認しているのは家に生えていたものと近くの畦道ですが、果たしてどの程度存在しているものなのかは不明です。

「葉の裏が常に紫色を帯びているわけでもない」、さらには緑色の果実というのは「単にアメリイヌホオズキが熟していない状態」と思って普通は素通りしてしまうので、気づかれていないだけなのかもしれないし。

そんなわけで普通に至る所に存在しているのかもしれないし、家の周りだけの突然変異的なものかもしれませんし、全く分かりません。

 

というわけで、葉の裏が紫色を帯び、果実が黒くならず緑のままの不明なイヌホオズキ類の一種でした。

 

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