チョウジタデとウスゲチョウジタデの比較。
チョウジタデ Ludwigia epilobioides
ウスゲチョウジタデ Ludwigia epilobioides ssp. greatrexii
湿地や水田などに見かける花で「タデ」と付きますがアカバナ科の花。
また「チョウジ」はフトモモ科の植物を指し、それに果実が似ていることから付いた名前のようです。
(2015年8月中旬)ウスゲチョウジタデ
同じく湿地や水田などで見かけます。
今シーズンもすでに見かけていますがまだ写真は撮っておらず、昨年(2015)の写真を使っています。
先の2枚だけ見ると花弁数が違うのでわかりやすいですが、チョウジタデにも5枚のものがあります。
(2015年8月上旬)ウスゲチョウジタデ
そんなわけで見分けのポイントの一つは、ウスゲチョウジタデでは花糸の基部間にある蜜腺付近に毛が生えていることです。
「ウスゲ」の由来はそこにありますが、チョウジタデがたくさん毛があるわけでなく無毛なので、おかしな付け方だと思いますし、響きの良くない名前をつけたもんです。きっと命名者は髪に悩みがない人なんだろうと思います(笑)
(2015年8月上旬)ウスゲチョウジタデ
花後や花弁の落ちたものだと(蜜もなく?)チェックしやすいと思います。
花はチョウジタデ、ウスゲチョウジタデともに午前の間に咲く花で、午後には散ってしまいます。
花径は写真のもので5mm程度、先にあげた5弁のものは7mm程度、平均的にウスゲチョウジタデより小さめの花で花弁がほっそりしている傾向があります。
(2015年9月上旬)ウスゲチョウジタデ
花弁の幅が広く隙間が少ない傾向がありますが、この写真のものは隙間が多めでした。
(2016年8月下旬)ウスゲチョウジタデ
茎の上部で咲いていた株内では大きめの花で1.2cm程度でした。下の方では1cm未満のもっと小さめも多くみられました。
果実は表面がボコボコしています。
(2015年10月中旬)ウスゲチョウジタデ
こちらは表面が滑らかな感じをしているようです。(追記2017: 太さについても触れていましたが、個体差ありそうなので削除しました。)
(2015年10月中旬)チョウジタデ
種子は内果皮にしっかり覆われていて見えない。
(2015年10月中旬)ウスゲチョウジタデ
写真をよく見ると内果皮が剥がれて中の種子が見えていました。(追記:触るとと粉々に落ちます。)
チョウジタデの葉。
ウスゲチョウジタデの葉の様子
茎に翼があります。見たことがないですが、やはり似た花でヒレタゴボウという花がありますが、そちらはもっと明瞭に翼が目立つようです。といっても分かりづらい気がしますが、そもそもヒレタゴボウは花がずっと大きいのと果実の形が全く違うようです。
(2015年10月中旬)チョウジタデ
(2015年3月中旬)チョウジタデ
紅葉の仕方も違いがあり、チョウジタデは写真のように真っ赤になります。
(2015年10月中旬)ウスゲチョウジタデ
こちらは真っ赤とはいかず緑がかなり残る傾向があります。果実の色もチョウジタデは鷹の爪のように真っ赤ですが、ウスゲチョウジタデはあまり染まってないようです。
紅葉の様子や花などの大きさでも見分けることはできると思いますが、花糸基部間の毛の有無が一番確かな見分けになると思います。(追記2017:ここに「草姿の大きさ」でもと書いていましたが、チョウジタデにもそれなりに大きなものがあったので取り消しました。)
(追加画像)
(2016年10月下旬)
ちょうど並んでいたそれぞれ小さな個体。染まり方の違いが出ています。
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