ヤマキツネノボタン Ranunculus silerifolius var. silerifolius
花の様子
苔が生すような湿り気のある日陰に咲くキツネノボタンが小型になったような花。7~9月という暑い時期に咲きます。
キツネノボタンと区別しないという見解もあるようです。(追記2018:少々記事内容を変更しています。)
花弁が細く6弁になったり不安定な感じはキツネノボタンに似ている気がします。
茎の毛の様子
先に書きましたように、花期が遅いことや小型であるのが一つのポイントですが、一番の違いと思ったのは最下部の茎での伏したような斜上毛です。
これまで見てきた限り、キツネノボタンでも有毛タイプでは、最下部以外の茎では斜上毛が生えているものもありますが、そういうタイプのものでも最下部の茎には開出毛または下向きの毛が生えていました。
(追記2018:キツネノボタンでも最下部に斜上毛が生えるものがありました。また、草刈りにあう前後で元の茎と新たな茎で毛の向きが変わるものもみられました。)
伏し気味の斜上毛が密に生えているものが多い。
上部の方の茎と毛の様子。上部(2節目より上)に向かうほど疎らになって行きますが、おなじく伏したような斜上毛が見えます。
果実の様子
集合果は球形にまとまるところはキツネノボタンと同じ傾向。
痩果は片側だけ厚みがあり、反対側は薄くなっているのもキツネノボタンと同じ。(ケキツネノボタンは両サイドに稜があり厚みがあります。)
ピントがあってませんが。綺麗に重なり合う様子もキツネノボタンと同じようです。
葉の様子
小型なせいもあるとと思いますが、葉は小葉が切れ込まないものがかなり多めでした。
普通サイズの葉。
大きめの葉。大きくてもこの程度で、キツネノボタンのような大きい葉はありませんでした。
花径
花は1cm超えるものもありましたが、ほとんどは上の写真の方のサイズか小さいくらいで8~9mm程度。
蕾の様子
個人的に気になっている萼の先の色ですが、キツネノボタンと同じで色はついてないようでした。
全体像、草姿
草姿は、この写真のように小さいものが多く草丈としては20cm以下というより10cm程度のものも多く、遠目にははじめカタバミでも咲いているのかと思ったほどでした。
茎の長さは20cm程度のものが少々あり、一番長かったもので30数センチありました。ただし茎の長いものは直立しておらず、倒れるように斜上でした。
まとめ
(追記2018:キツネノボタンにも最下部が斜上毛のものがあったことで、全体的に小さいことと、葉の切れ込みがないものがけっこうあることなどくらいしか違いとしてわからなくなりました。同じ斜上毛でも毛の質が違うようにも感じるのですが、むずかしいところです。もう一度この場所のヤマキツネノボタンを再確認してみたいと思います。)
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(2018年6月下旬、以下4枚追加。)
この時点で花もないし、葉も1~3,4枚程度しかありませんでした。
葉はやはり小さく、側小葉は切れ込むものがたまにありますが、頂小葉は切れ込んでもごく浅いものがほとんど。
キツネノボタンの小さいものでは切れ込みがあるものもあれば、あまり切れ込みがないものもあります。
そんな気がしたのですが、よく見ると草刈りにあった跡がありました。
花期が遅いのもヤマキツネノボタンの一つの特徴ですが、もし刈られていなかったらどうだったのか気になるところです。
茎の毛は斜上毛のものばかりでした。長毛で伏す傾向があります。
キツネノボタンの斜上毛とはやはり質が違う気はします。茎もこちらの方がずっと細いです。
また、キツネノボタンについてこれまでの観察場所で見てみたところ、やはり開出~下向きの毛ばかりでした。先日みた斜上毛のキツネノボタンは、中間的なものということもあるでしょうか。しかし中間的なものがあるということはやはり明確な線引きが出来ないものなのかもしれません・・・。
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