ジャノヒゲ Ophiopogon japonicus
林の中などに見られる植物。常緑で庭などにもよく植えられます。(写真は自宅の庭のものです。)
総状花序に白に紫がうっすら差したような淡い色の花を下向きに多数咲かせます。
よく見ると可愛らしい花ですが、こうして茂った葉の中でひっそりと咲いているためほとんど目立ちません。かなり地面すれすれに下向きに咲くのは、どんな昆虫にアピールしているのでしょう・・・。
似た仲間には葉の幅1.5~2.5mm、葉の長さは40cmほどまで伸びるとされるナガバジャノヒゲというのがあるようです。ジャノヒゲは幅2~3mm、葉の長さは20cm程度です。地下茎が長いという特徴もあるようですが、そのへん実際に見て確認していません。
果実に見えますがこれが種子でコバルトブルーで光沢がありとても美しい色をしています。(2015年12月)
名前の由来は、別名で竜の髭(リュウノヒゲ)とも呼ばれますが、竜から蛇に転化していったという説と、能で老人の面を「尉(じょう)」といいその髭に見立てたという説があるようです。
個人的には、美しい種子の様子は竜が手に持っている玉「竜の玉(リュウノタマ)」とも言われることから考えると、目立つ種子にはじめに注目がいき、さらに葉だけの様子を見て竜の髭と呼ばれたものの、よく増えるものはすぐ人は飽きるので竜から格下げされジャノヒゲと呼ばれるようになったのかも思ったりします。
「え?そっち?!」って思う方に注目したような名前の植物もけっこうありますが、これだけ綺麗な種子があるのに、葉だけに注目して老人の髭・・・ってなんだかピンとこないので(笑)
おまけで、ジャノヒゲの小型の園芸品種でタマリュウ。よく庭などにグランドカバーとして植えられています。(写真は家の庭のものです。)
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(2018年7月中旬、以下3枚)林内のジャノヒゲ。
林内のものはたいてい庭植えなどのものと比べ、一株の葉の量が少ないです。
その花の様子。フラッシュで光り過ぎですが。