ハルタデ(とオオハルタデ) Persicaria maculosa s.l.
ハルタデは時期により外見(主に大きさ)に差があり、6月くらいまでに見られるものは小~中型ですが、7月以降に咲くものはオオイヌタデのような大型のもの(オオハルタデ型)を見かけるようになります。
まずは家に生えてきたもので、開花したのは6月。
小型でほっそり華奢なタイプです。
花被片は5。
脇から出たこちらの花序は花被片4。
葉にはうっすら黒い斑点。
葉裏の腺点は不明瞭。
托葉鞘の縁に短い毛があり、表面や茎にも毛が生える。
7月中旬には自然に枯れてしまいました。
畦道に生えていたもの。家のものと同時期ですが、こちらの方が少し大きめ。
花被片5。
葉は少し波打ち、黒い斑点がある。
葉の裏の腺点は不明瞭。
托葉鞘は縁に短い毛がある、またはない。表面と茎にも毛がある。
果実は片面が膨らみ、レンズ型と言われている栗のような形。タイプとしては両サイドと上側だけが出ている3稜型もあるそうです。
今年家の前の畦に生えてきたもの。今は分類しないそうですがいわゆるオオハルタデタイプと思います。開花は7月中旬。
かなり大型で遠めにはオオイヌタデのようにも見える。咲き始めですが現時点では花序はほぼ直立型。
花被片は5。
葉は大きいものは20cmを超えています。
表面の黒い斑点もかなり大きい楕円型。ちなみに斑点がないタイプもありました。
腺点はやや不明瞭。
主脈状に褐色の毛が生えている。
托葉鞘の縁の毛は長いもので4mm。表面にも毛がある。
茎には伏毛が下部になるほど多く生えている。
まったく同じタイプのものを離れた別の場所で見つけました。
花はだいぶ咲き進んでいて花序が太くなっています。花被片は5。
葉も同じく大きいもので20cm以上あり、軽く波打ち表面には楕円形状になる大きな黒い斑がある。側脈は20超えるものもけっこうあり、そこだけ見たらオオイヌタデと見間違えそう。
果実を包む花被の脈。釣針状にならない・・・と思ったら、定規に載せた写真のものは先端の方に2分岐し小さく釣針状になっているのがみえます。オオイヌタデのそれとはちょっと違うといえば違うかもしれませんがややこしいところです。(上の写真と同じ花序のものです)
果実(痩果)は扁平型。片側が凹んでもう片側が少し膨らむかは確認せず。
上部の茎の毛。
下部の茎の毛。
托葉鞘の縁の毛はやはり最長4mm、表面も毛が生える。
花序は直立するもの、垂れるもの両方ある株もありました。
中~大型になるとオオイヌタデ或いはサナエタデと遠目にはややこしいですが、簡単には茎や托葉鞘に毛がある点でハルタデだろうと見当はつきます。
そこからさらに細部を観察していると、ハルタデは個体差がけっこうあるので見かける場所や時期ごとに「これも同じハルタデだろうか?」と再び混乱したりしますが・・・。
細部といえば、いまのところカメラの性能か、腕のせいか、花柄の腺毛をちゃんと写真にとらえることが出来ておらず、確認できていません。
今回のタイトルのところの学名は広義としてしまっているのであれですが、狭義に考えた場合ヨウシュハルタデという基本亜種についての情報はほとんど見当たらないですが、気になるところです。
果柄の腺毛が撮れました。今回撮れただけなのでこれまで見てきたものにも同じように腺毛が実はあった、ということになるわけでもないのですが。なるほどこんな感じか、とは分かったので良かったです。
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