ハマカキラン Epipactis papillosa var. sayekiana
海岸方面の黒松林に咲くランの仲間。クロマツの根に共生する菌が生育に必要なためだそうです。
花の時期以前はこうして項垂れたような姿をしています。
蕾の様子。開花が間近になってくるると起き上がります。
多数の花はやや下を向いて咲きます。
色合い的にも周辺の他の草たちに紛れてしまい、ほとんど目立ちません。それなりに人通りのある道端に咲いてはいても、おそらく花に気づいている人はほとんどいない気がします。
充実しているものは、一つの株から束生するように3~4本の茎が株立ちしています。
6月下旬、花が終わり果実になるものが多くなってきました。
7月下旬、果実を見てみるとすでに種子を散布した後のようでした。蒴果の先端は離れることなく縦に隙間が開くようです。植物それぞれいろいろな種子散布方法があり、蒴果のタイプにもいろいろありますが、面白いシステムがけっこうありますね。
育つ環境さえあれば植物自体の性質はけっこう強そうですが、一方で生育条件や環境がとても限定的だったりなんとも危うさもある、そんなハマカキランでした。