ノアザミ Cirsium japonicum
道端の草地に咲くアザミの仲間。アザミは種類が多いですが、初夏に咲くのはこのノアザミ。名前もややこしいノハラアザミは秋に咲きます。
頭花は先が5裂した筒状花の集まり。その筒状花から飛び出して花粉を付けているのが雄しべ(集葯雄蕊)。外の方の咲き進んだ筒状花では、さらに長い細い糸状のものが出ていますが、これが雌しべ。
先に雄しべが出て花粉を出し(雄性期)、その後自身の残った花粉を押し出すようにしながら雌しべが伸びてきます。
その後、雌しべは柱頭が2つに分かれ雌性期となるようです。
ノアザミとノハラアザミでは先に書きましたように花期が違いますが、ノアザミが秋にもまた咲いていることもあるようで、その場合、見分けのポイントになるのは総苞の様子。
ノアザミでは写真のように総苞片が開かずピタッとしています。(ノハラアザミは斜上気味に開く。)
花期に根生葉が残ります。
このような白っぽいノアザミもたまに見かけます。完全に白い花をしたシロバナノアザミもあるようです。
綿毛の様子。
いろいろな花が増えてくる初夏にあってもひと際目立つ綺麗な花ですが、思いのほかトゲが痛いのでその辺は注意です。と言いつつ、毎年忘れて風が強いときなどちょっと指で固定しようとして「痛っ!」となっていますが(笑)
(追加画像)
(2017年5月上旬の花)
(2017年5月上旬)
総苞の粘り具合は、紫色の葯筒が目立ち、花粉を出している雄性期の花が多い状態のときが一番なのかも。これよりあとの状態になった花を触ってもあまり粘らなかったので。数触ってないのでわかりませんが。(追記: さらに触ってみると、そういうことでもないようでした。ときどき粘りがほとんど感じないのがあるのはなんでだろう。)
筒状花の花冠。これはこれで綺麗かも。
(6月中旬)
けっこうこうなる前に草刈りされてしまうものも多いです。
(6月中旬)
冠毛が羽毛状になっていて、なんとなく孔雀を思い出しました。
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