オカタイトゴメ Sedum japonicum subsp. oryzifolium var. pumilum
セダムの一種で海岸に生えるタイトゴメを小型にしたような姿。
葉の様子
葉には粒状突起があり、しばしば似た花タイトゴメとの見分けのポイントとして使われますが、この写真のような先端の若い葉に限らず、粒状突起自体はタイトゴメでも確認できるのでこの識別方法はあまり有効でないと思うのですが。
オカタイトゴメでも滑らかに見え粒状突起が確認できないものもあったりします。
また、葉の断面の形状の相違も、葉の生育具合、どの位置の葉であるか、などで差があるので比較が難しい時が多いと思います。
左から4つ目までは花の咲かない茎の下部の方に付いてた葉。右の2つは花のついた茎についた葉。
一般的に長さ3mm以下とされていますが、長いものでは3mm超えるものもけっこうあるようです。(写真のものは下部のものなので、もちろん上部になるほどもっと短い葉になります。)
4mm近いものとなるとタイトゴメと被りますが、オカタイトゴメは幅がなく、茎自体が細いので葉の基部が狭いです。
話が飛びますが、うちの方で見かけるものは真夏でもたいてい赤味を帯びた葉があります。(といっても他の地域ではどうなのかは把握してませんが。)
この写真は昨年一茎採取して鉢で増やしたものですが、同じく赤味を帯びたままでした。(屋外管理です。)
それをふと思いつきで今年5月初め頃、一部を別の鉢に移し室内に取り込んでみましたのが次の写真。
ほんの数日で緑色の葉だらけになりました。
原産地不明ともいわれてますが、本来もう少し暖かな気候が合う植物であって家のあたりは環境的に微妙に合っていないのかもしれません。道端に見かける株も花を咲かせているものはとても少ないです。
その室内に入れてみた鉢の葉の中に、
長さは4mmほどで外で見ていた葉と違い、葉先の方が広いヘラ状のようになった葉が見られましたので計ってみたところ幅がその広い部分で2mm程度ありました。
先ほど書きましたように先が広がって幅があったとしても、茎自体が細く葉の基部の幅は狭いです。
別日にそのタイプの葉とタイトゴメの同じくらいの長さの葉を比べてみました。
茎の太さ自体に差があるため基部の幅には差が出ているようです。(左がタイトゴメ 右がオカタイトゴメ)
通常、道端などでこのような葉は見かけないのであまり考慮する必要はないと思いますが、家の外置きのタイトゴメとメノマンネングサも葉に幅が出るものがあったりしますので、そういう変化するケースもあるということで載せてみました。
花の様子
花の様子では、オカタイトゴメの花の大きさは一般的に言われているように花径8mm程度まででタイトゴメより一回り小さく識別ポイントになりますが、生育具合の差や花期の後半などはタイトゴメでも小さめの花を付けていることも多々ある点は考慮が必要と思います。
果実、種子の様子
袋果(果実)は写真のように斜上しています。
種子は非常に小さいです。(青い矢印の先)
タイトゴメと比べて袋果自体が小さいことと、自分の不手際のせいかもしれませんが、なかなか種子があるのかどうかすら確認できず、ようやく写真に撮れました。
ところが・・・、
本来なら定規や方眼紙に乗せるなどし大きさを計りたかったのですが、定規に乗せようとしている間に見失ってしまいました。
そのために推測になってしまいますが、タイトゴメの種子と比べるとオカタイトゴメの種子は一回り二回り小さいサイズだったかと思います。(そもそも、それぞれの種子のサイズの範囲がどの程度あるかはわかりませんが。)
全体像
右も左もどちらもオカタイトゴメ。
後から気づきましたが、花が咲く茎に付く葉がタイトゴメと違い細いです。また花の咲く茎がだらんと間延びして力強くなく、はっきりと直立してない傾向もあるようです。
混生する様子
こちらは道端でタイトゴメと混生しているオカタイトゴメ。
うちの周辺では前述のように赤味を帯びていることが多いので余計に分かりやすいですが、葉の大きさなど違うことでだいぶ大きさ的に印象が違います。
そんなこんなで、
タイトゴメと比較しながらになりましたが、粒状突起の有無ではどちらとも言い切れないと思いますが、サイズ感がまるで違うのでそれら全体の様子で見た方がいいと思われます。(メノマンネングサの記事に大きさの比較がわかりやすい、葉の集まった先端部分の比較画像がありますのでよかったらどうぞ☆)
(追加画像)
(2018年5月下旬、以下2枚追加)
あちこちに生えていても意外と花がないことが多いので、どういう環境でよく咲くのかいまいちよくわからないオカタイトゴメ。
ここはそれほど日差しもない道路縁で傍にトンネルもあり、風もそうとう厳しそう。
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